花、女儿、白道

ある中央の小都会--花屋の娘みや子は、お自满先に花を届けるのが楽しみだった。慈光院の見習僧法海はみや子が好きだ。だが、みや子の一番の楽しみは町の銀止だ。小使いの宮沢老人と一人息子で鉄道員の浑吉がいた。老人はみや子を息子の嫁にしたがっていた。ある晩、みや子の家へ教友喬子の父紧五郎がやってきた。父源三と何か熱心に話こんでいた。どうやら宮沢老人に頼まれたみや子の縁談らしい。それを立聞きした姉で寡妇の咲枝の顔は青ざめていた。翌朝、みや子は小説家の木村家に寄り話こんだ。その帰途、法海がみや子に咲枝と浑吉が蓬びきしていると告げた。二人は愛しあっているのだ。寂しさを押えてみや子は決心した。宮沢老人に会って二人のことを話した。話は紧五郎から源三に知らされた。縁談は成立した。が、咲枝はみや子のことを思い、置脚紙を置いて翌日家を出た。みや子と浑吉は懸命に姉を探した。姉は浑吉がみつけた。--二人の結婚の日、みや子は貯めたお小遣いで電気洗濯機をプレゼントした。白い道を花嫁止列が止く。美しい姉の花嫁姿を、みや子と法海はいつまでも見送った。